start」と「begin」はどちらも「始める」と訳されますが、英語ではフォーマル度、動作のイメージ、文脈の自然さが異なります。
特にビジネス文書や会話では、より自然な語を選ぶことで表現の精度が高まります。

この記事では、start と begin の使い分けを、例文とともにわかりやすく解説します。


結論

結論から言うと、

  • start:カジュアル。動作や機械など「目に見える始動」。
  • begin:フォーマル。行為・プロセス・話など「抽象的な始まり」。

つまり、

  • start=はっきり動き出すイメージ(カジュアル)
  • begin=丁寧・フォーマルで抽象的(静かに始まるニュアンス)

本質的な違いは、
start は具体的な動き、begin は抽象的・公式的
という点にあります。


1. start / begin の違い

例文を比較するとイメージの差がわかりやすくなります。

① start
Let’s start the engine.
エンジンを始動しよう。
② begin
Let’s begin the meeting.
会議を始めましょう。(丁寧・フォーマル)

start は「始動」や「動き出す」感覚が強いのに対し、
begin は「プロセスの開始」「公式・丁寧」という印象があります。


2. start の意味と使い方(目に見える始まり)

start は最も一般的で使いやすい「始める」で、
日常会話でもビジネスでも頻繁に使われます。

start の特徴:

  • 具体的な動作の始まり
  • 機械・イベント・作業などに自然
  • カジュアルで柔らかい印象

例文:

They started talking.
彼らは話し始めました。
She started working here last year.
彼女は昨年ここで働き始めました。
The show starts at 8 p.m.
ショーは午後8時に始まります。

start は「何かが動き出す」雰囲気が強い語です。


3. begin の意味と使い方(フォーマルで抽象的な始まり)

begin は start よりもフォーマルな語で、
文学・スピーチ・ビジネスなど「丁寧な印象」を与える場面に使われます。

begin の特徴:

  • 抽象的・プロセス的な始まり
  • 丁寧・形式的な響き
  • 書面・公式場面でよく使われる

例文:

Let us begin by reviewing last week’s report.
まず先週の報告書の確認から始めましょう。
The ceremony will begin shortly.
式典はまもなく始まります。
She began to understand the concept.
彼女はその概念を理解し始めました。

begin は「静かに始まる」「丁寧なスタート」という印象です。


4. 似た英語表現

4-1. commence(正式に開始する)

例文
The construction will commence next month.
工事は来月開始されます。

begin よりさらにフォーマル。

4-2. launch(開始する・公開する)

例文
They launched a new product.
彼らは新製品を発売しました。

ビジネスで「始動する」「立ち上げる」に使う。

4-3. initiate(開始する・導入する)

例文
The company initiated a new program.
会社は新しいプログラムを導入しました。

プロフェッショナルな場で使用される硬い語。


5. まとめ

表現 意味・ニュアンス 特徴
start 始める(カジュアル・動作の開始) 具体的な動き・イベントの開始に自然。
begin 始める(フォーマル・抽象的) 丁寧・書面・公式のニュアンス。

start=動作的、begin=フォーマルで抽象的。
違いを理解すると、自然で場面に合った「始める」の英語が使えるようになります。