「spend」「pay」「cost」はいずれも「お金・時間」に関係する表現ですが、英語では主語が誰か、そしてお金の動きがどう発生するかで明確に使い分けます。日本語では同じ「〜にお金がかかる」で表現できても、英語では文法的役割が大きく異なるため、混同しやすいポイントです。
この記事では、3つの違いを本質から理解できるよう、例文とともに丁寧に解説します。
目次
結論
結論から言うと、
- spend:お金・時間を「自分が使う」
- pay:お金を「支払う」「相手に渡す」
- cost:物やサービスが「~の費用がかかる」
つまり視点を整理すると、
- spend=自分が消費する
- pay=相手に支払う
- cost=物やサービスが費用を要求する
この「視点の違い」を理解すると、使い分けが一気に正確になります。
1. spend / pay / cost の違い
まず3つの例文を比較してみます。
① spend
I spent $50 on books.
私は本に50ドル使いました。
I spent $50 on books.
私は本に50ドル使いました。
② pay
I paid $50 for the books.
私はその本の代金として50ドル支払いました。
I paid $50 for the books.
私はその本の代金として50ドル支払いました。
③ cost
The books cost me $50.
その本は私に50ドルかかりました。
The books cost me $50.
その本は私に50ドルかかりました。
視点の違いは明らかです:
- spend:自分目線で「使った」
- pay:支払い行為にフォーカス
- cost:物の値段が中心(主語はモノ)
この構造を理解すると英語が自然に使えるようになります。
2. spend の意味と使い方(自分が使うお金・時間)
spend は「使う」という意味で、対象はお金だけでなく時間にも使えます。
構文は:
- spend + お金/時間 + on 物
- spend + 時間 + doing(〜するのに時間を使う)
例文:
① I spent three hours studying.
私は3時間勉強に使いました。
私は3時間勉強に使いました。
② She spent a lot of money on clothes.
彼女は洋服に多くのお金を使いました。
彼女は洋服に多くのお金を使いました。
③ We spent the weekend in Kyoto.
私たちは週末を京都で過ごしました。
私たちは週末を京都で過ごしました。
spend の特徴:
- 主語は「お金・時間を使う人」
- on + 物、または doing の形が多い
- 時間を“過ごす”場合にも使える
「自分が費やした」という感覚が spend です。
3. pay の意味と使い方(代金を支払う)
pay は「支払う」行為そのものを表します。
代金を渡す相手・目的語を明確にできるのが特徴です。
基本構文は:
- pay + お金
- pay + for 物(〜の代金を払う)
- pay + 人(相手に支払う)
例文:
① I paid $20 for lunch.
私は昼食に20ドル支払いました。
私は昼食に20ドル支払いました。
② She paid him back yesterday.
彼女は昨日、彼に返金しました。
彼女は昨日、彼に返金しました。
③ We need to pay the electricity bill.
電気料金を払う必要があります。
電気料金を払う必要があります。
pay の特徴:
- 「支払う」という行為にフォーカス
- for + 物、to + 人 の使い分けが重要
- 請求書・料金・税金など幅広い用途
支払い動作を明示したい時は pay。
4. cost の意味と使い方(物が〜の費用を必要とする)
cost は「費用がかかる」を表し、主語が人ではなく物になる点が最大の特徴です。
構文は:
- 物 + cost + 人 + 金額
- 物 + cost + 金額
例文:
① The ticket cost me $100.
そのチケットは私に100ドルかかりました。
そのチケットは私に100ドルかかりました。
② The repair cost $50.
修理には50ドルかかりました。
修理には50ドルかかりました。
③ This phone costs a lot.
このスマホは高いです。
このスマホは高いです。
cost の特徴:
- 主語が「物・サービス」になる
- 人を目的語にできる(cost me 〜)
- 「〜という値段」という性質を表す
「この物は〜円です」という感覚に最も近いのが cost です。
4. 似た英語表現
4-1. charge(料金を請求する)
例文
They charged me $20.
彼らは私に20ドル請求した。
They charged me $20.
彼らは私に20ドル請求した。
店側・サービス提供者が主語になる。
4-2. expense(費用がかかる:名詞)
例文
Travel expenses are high.
旅行費用は高い。
Travel expenses are high.
旅行費用は高い。
形容詞 expensive とも関連。
4-3. invest(投資する)
例文
He invested time in learning English.
彼は英語学習に時間を投資した。
He invested time in learning English.
彼は英語学習に時間を投資した。
spend より「見返りを期待する」ニュアンスを含む。
5. まとめ
| 表現 | 意味・ニュアンス | 特徴 |
|---|---|---|
| spend | 自分が時間・お金を使う | on + 物 / 時間 + doing の形でよく使う。 |
| pay | 代金を支払う | for 物、to 人 の使い分けが重要。 |
| cost | 物やサービスが〜の費用がかかる | 主語は物。cost 人 金額 の形も可能。 |
spend=自分が使う、pay=相手に支払う、cost=物の値段。
この3つの視点を押さえると、お金・時間に関する英語表現が格段に正確になります。