speak to」と「speak with」はいずれも「話す」という意味を持ちますが、英語では微妙なニュアンスの違いがあります。この記事では両者の差と自然な使い分けを、例文とともにわかりやすく解説します。


結論

結論から言うと、

  • speak to:一方向的・相手に向けて話すイメージ。話しかける・伝える。
  • speak with:双方向的・会話をするイメージ。対等に話す。

とはいえ、現代英語ではどちらも広く使われ、違いは“ニュアンスの強弱”という位置づけになります。


1. speak to / speak with の違い

まずは例文で違いを体感してみましょう。

I need to speak to the manager.
マネージャーに話をする必要があります。(伝える内容がある)
I want to speak with you about our project.
プロジェクトについてあなたと話をしたいです。(一緒に話し合う)
  • speak to:一方向 → “話しかける・伝える” にフォーカス
  • speak with:双方向 → “話し合う・会話する” にフォーカス

ビジネスシーンでは speak with が丁寧で柔らかい印象になります。


2. speak to の意味と使い方

speak to は、相手に向けて話すイメージが強い表現です。
「こちらから伝えたい内容がある」「連絡を取る必要がある」という文脈でよく使われます。

例文:

Could you speak to him about the issue?
その問題について彼に話してくれますか?
She will speak to the team tomorrow.
彼女は明日チームに話をします。
I need to speak to my doctor.
医師と話す必要があります。(相談・連絡)

ポイント:

  • 話しかける・伝えるという方向性がある
  • フォーマルでもカジュアルでも使える
  • 相手が目上でも目下でも問題なし

3. speak with の意味と使い方

speak with は、双方向の会話や話し合いを表します。
相手と意見交換するイメージがあり、ビジネスでも丁寧な響きがあります。

例文:

I’d like to speak with you when you have time.
時間があるときにお話ししたいです。
She spoke with her supervisor about the new plan.
彼女は新しい計画について上司と話をしました。
We need to speak with the clients.
クライアントと話し合う必要があります。

ポイント:

  • 双方向的で対等な会話をイメージ
  • 丁寧・柔らかい印象になる
  • ビジネスシーンで好まれる

4. 似た英語表現

4-1. talk to(相手に向けて話す)

talk to は speak to よりカジュアルで、一方向に話しかけるイメージです。
日常会話で頻繁に使われます。

例文: I talked to my friend yesterday.
昨日友人に話しかけました。

4-2. talk with(会話する・話し合う)

talk with は speak with と同じく双方向で「話し合う」ニュアンス。
協力や相談の場面に使われます。

例文: She talked with her colleague about the schedule.
彼女は同僚とスケジュールについて話しました。

4-3. discuss(議論する:目的語に人は置かない)

discuss は「話し合う・議論する」という意味ですが、discuss with 人 の形に注意が必要です。
人を直接目的語にはできません(× discuss him)。

例文: We discussed the plan with our boss.
私たちは上司とその計画について話し合いました。

5. まとめ

表現 意味・ニュアンス 特徴
speak to 一方向に話しかける・伝える 内容を伝えたいときに使う
speak with 双方向の会話・話し合う 丁寧でビジネスでも◎

speak to=一方向、speak with=双方向。
違いを理解すれば、日常会話からビジネス英語まで自然に使い分けられます。