raise」と「rise」は、どちらも“上がる・上げる”というイメージを持つ単語です。しかし英語では、raise は“他動詞(目的語が必要)”rise は“自動詞(目的語を取らない)”という根本的な違いがあります。意味の方向性が異なるため、文法的な使い方を理解することが重要です。


結論

結論から言うと、

  • raise:〜を上げる(他動詞)→ 誰か・何かが上げる
  • rise:上がる(自動詞)→ 自然に・自分で上がる

つまり、raise は「上げる」rise は「上がる」という能動・受動の違いがあります。


1. raise と rise の違い

まずは2つの例文を比べましょう。

They raised the price.
彼らは価格を上げた。
The price rose.
価格が上がった。

①は「人が操作して上げている」。
②は「自然に上がった/結果として上がった」。

ポイントは以下の通り:

  • raise:目的語が必要(何を上げるのか)
  • rise:目的語なし(主語が自動的に上がる)

この違いが文法ミスを防ぐ最大のポイントになります。


2. raise の意味と使い方(他動詞)

raise は「〜を上げる」という意味の **他動詞** で、必ず目的語を伴います。
人が意図的に何かを持ち上げたり、上昇させたりするときに使います。

例文:

Please raise your hand.
手を挙げてください。
They raised salaries this year.
彼らは今年給与を上げました。
We need to raise the level of service.
サービスのレベルを上げる必要があります。

raise の特徴:

  • 目的語が必須(何を上げるのか)
  • 人工的・意図的な上昇を表す
  • 「育てる」(raise a child)という意味もある
  • 活用:raise – raised – raised

「人が手を加えて上げる」というニュアンスが強い語です。


3. rise の意味と使い方(自動詞)

rise は「上がる」「昇る」という意味の **自動詞** で、目的語を取りません。
自然現象や自動的な上昇を表すときに使われます。

例文:

The sun rises in the east.
太陽は東から昇ります。
Prices rose sharply.
物価が急激に上がった。
His temperature rose overnight.
彼の体温は一晩で上がりました。

rise の特徴:

  • 目的語を取らない(主語自身が上がる)
  • 自然な上昇・自動的変化に使われる
  • 「立ち上がる」(rise to one’s feet)という意味もある
  • 活用:rise – rose – risen

人工的な操作ではなく、「自然に上がる」という感覚です。


4. 似た英語表現

4-1. lift(持ち上げる)

例文
She lifted the box easily.
彼女はその箱を簡単に持ち上げた。

raise に近いが、物理的に持ち上げる動作に特化。

4-2. increase(増える/増やす)

例文
The number has increased recently.
その数は最近増えています。

rise と同様に自動的な上昇も表せるが、抽象概念に使われることが多い。

4-3. boost(引き上げる・強化する)

例文
They boosted sales with a new campaign.
彼らは新しいキャンペーンで売上を引き上げた。

raise の「上昇させる」ニュアンスに近いが、強化・促進の意味も含む。


5. まとめ

表現 意味・ニュアンス 特徴
raise 〜を上げる(他動詞) 目的語が必要。意図的・人工的な上昇。
rise 上がる(自動詞) 目的語なし。自然な上昇・自発的変化。

raise は“上げる”、rise は“上がる”。
この自他動詞の違いを理解すると、似た表現を文法的に正しく使えるようになります。