「know」「understand」「realize」は、いずれも「知る・わかる」と訳されますが、英語ではそれぞれが示す“認知の深さ”がまったく異なります。
・単に知識として知っているのか
・理由まで理解しているのか
・瞬間的に気づいたのか
これらを区別しないと、英語ではニュアンスが大きく変わってしまいます。この記事では、3つの動詞の違いを例文とともに詳しく解説します。
目次
結論
結論から言うと、
- know:知識として「知っている」
- understand:理由・仕組みまで「理解している」
- realize:その瞬間に「気づく/悟る」
つまり、
- know=事実を知っている(情報)
- understand=意味・背景まで理解(理解の深さ)
- realize=瞬間的な気づき(意識の変化)
この3つの違いを理解すれば、「わかる」の英語が圧倒的に正確になります。
1. know / understand / realize の違い
まずは例文を比較します。
① know
I know his name.
私は彼の名前を知っています。
I know his name.
私は彼の名前を知っています。
② understand
I understand how this machine works.
この機械がどう動くのか理解しています。
I understand how this machine works.
この機械がどう動くのか理解しています。
③ realize
I realized my mistake.
自分のミスに気づきました。
I realized my mistake.
自分のミスに気づきました。
違いは明快で、
- know=情報として把握している
- understand=内容・理由を理解している
- realize=突然気づく、悟る
となります。
2. know の意味と使い方(事実として知っている)
know は「知っている」という最もシンプルな動詞で、
事実・情報・人に関する知識がある状態を表します。
構文は:
- know + 名詞
- know + that + 文
- know how / when / where …
例文:
① I know the answer.
答えを知っています。
答えを知っています。
② She knows that he is busy.
彼が忙しいことを知っています。
彼が忙しいことを知っています。
③ Do you know how to cook ramen?
ラーメンの作り方を知っていますか?
ラーメンの作り方を知っていますか?
know の特徴:
- 知識・情報を知っている状態を表す
- 理解の深さは問わない(理解しているとは限らない)
- 「知っているかどうか」を確認したいときに最適
3. understand の意味と使い方(理解している)
understand は「理解する」で、
内容・理由・仕組みまで把握している状態を表します。
「ただ知っている(know)」よりも深く、
「筋が通って理解できている」ニュアンスを含みます。
例文:
① I understand your feelings.
あなたの気持ちが理解できます。
あなたの気持ちが理解できます。
② He understands the rules clearly.
彼はそのルールをしっかり理解しています。
彼はそのルールをしっかり理解しています。
③ She understands why the plan failed.
彼女はその計画が失敗した理由を理解しています。
彼女はその計画が失敗した理由を理解しています。
understand の特徴:
- 意味・意図・理由まで理解している状態
- 論理的な理解が含まれる
- 感情理解にも使える(I understand your feelings.)
4. realize の意味と使い方(突然気づく・悟る)
realize は「気づく/悟る/実感する」を意味し、
瞬間的な気づき・認識の変化を表します。
知識として前から知っていたわけではなく、
「あ、そうか」「今気づいた」というニュアンスです。
例文:
① I realized I forgot my wallet.
財布を忘れたことに気づきました。
財布を忘れたことに気づきました。
② She realized her true potential.
彼女は自分の本当の可能性に気づきました。
彼女は自分の本当の可能性に気づきました。
③ He realized that they were right.
彼らが正しかったと悟りました。
彼らが正しかったと悟りました。
realize の特徴:
- 突然の気づき・認識の変化を伴う
- 心理的・内省的な文脈でよく使う
- learn や know とは全く異なる性質
5. 似た英語表現
5-1. recognize(見覚えがあると気づく)
例文
I recognized him from the photo.
写真で見たことがあると気づきました。
I recognized him from the photo.
写真で見たことがあると気づきました。
realize より「見て思い出す」感覚が強い。
5-2. find out(調べてわかる)
例文
I found out the truth.
真実を突き止めました。
I found out the truth.
真実を突き止めました。
調査の結果知る。know の派生。
5-3. figure out(理解して解決する)
例文
He figured out the problem.
彼はその問題を解決しました(理解した上で)。
He figured out the problem.
彼はその問題を解決しました(理解した上で)。
understand と solve が混ざったニュアンス。
6. まとめ
| 表現 | 意味・ニュアンス | 特徴 |
|---|---|---|
| know | 知っている(情報) | 事実・知識の有無。理解の深さは問わない。 |
| understand | 理解する(意味・背景) | 理由や仕組みまで把握する深い理解。 |
| realize | 気づく・悟る(認識の変化) | その瞬間にハッと気づく、心情の変化。 |
know=情報、understand=理解、realize=気づき。
この3つを正確に使い分けることで、英語で「わかる」を的確に表現できるようになります。