「hope」と「wish」はいずれも「願う」「望む」を意味しますが、英語では実現可能性があるかどうかで明確に使い分けが行われます。ネイティブが自然に選ぶこの感覚をつかむことで、感情や願望をより正確に表現できるようになります。
この記事では、hope / wish の本質的な違いを、例文とともにわかりやすく解説します。
目次
結論
結論から言うと、
- hope:実現する可能性が“ある”願い
- wish:実現が“難しい・不可能”な願い
つまり、
- hope=現実的な願望
- wish=現実から離れた願望(叶いそうにない)
という違いです。
1. hope と wish の違い
まずは2つの例文を比較します。
① hope
I hope you get better soon.
早く良くなるといいね。(実現する可能性あり)
I hope you get better soon.
早く良くなるといいね。(実現する可能性あり)
② wish
I wish I could fly.
飛べたらいいのに。(実現不可能)
I wish I could fly.
飛べたらいいのに。(実現不可能)
違いは以下の通りです:
- hope:現実的に起こり得ること
- wish:起こらない/もう変えられないこと
英文の構造自体も hope と wish で大きく異なるため、次の章で詳しく説明します。
2. hope の意味と使い方(実現可能性がある願望)
hope は「〜だといいな」「〜になると願っている」という、現実的な願いを表します。
構文はシンプルで:
- hope + 主語 + 動詞
- 未来の願望でも will は使わない(hope + will になりにくい)
例文:
① I hope it doesn’t rain tomorrow.
明日雨が降らないといいな。
明日雨が降らないといいな。
② We hope you enjoy the event.
イベントを楽しんでいただけると嬉しいです。
イベントを楽しんでいただけると嬉しいです。
③ I hope to see you again soon.
またすぐ会えるといいですね。
またすぐ会えるといいですね。
hope の特徴:
- 願いが“現実的”である
- 文法形は通常の現在形(未来は含意)
- ポジティブで日常会話に頻出
3. wish の意味と使い方(実現が難しい・不可能な願望)
wish は「〜ならよかったのに」「〜できたらいいのに」という、現実と反する願望を表します。
ポイントは文法が仮定法になることです。
- wish + 過去形(現在の事実と違う願い)
- wish + 過去完了(過去の後悔)
例文:
① I wish I had more time.
もっと時間があればいいのに。(実際は時間がない)
もっと時間があればいいのに。(実際は時間がない)
② I wish I could speak Spanish.
スペイン語が話せたらいいのに。(話せない)
スペイン語が話せたらいいのに。(話せない)
③ I wish I hadn’t said that.
あんなこと言わなきゃよかった。(後悔)
あんなこと言わなきゃよかった。(後悔)
wish の特徴:
- 実現が難しい、または不可能な願い
- 現在→過去形、過去→過去完了になる(仮定法)
- 後悔・叶わぬ願望・空想に使う
4. 似た英語表現
4-1. want(〜したい)
例文
I want a new phone.
新しいスマホが欲しい。
I want a new phone.
新しいスマホが欲しい。
具体的な欲求。hope / wish と異なり現実的かつ直接的。
4-2. would like(丁寧な「〜したい」)
例文
I would like some water.
お水をいただけますか。
I would like some water.
お水をいただけますか。
丁寧な要望で、願望とは少し違う。
4-3. long for(強く憧れる)
例文
She longs for freedom.
彼女は自由を強く求めている。
She longs for freedom.
彼女は自由を強く求めている。
感情を強調し、文学的な語感を持つ。
5. まとめ
| 表現 | 意味・ニュアンス | 特徴 |
|---|---|---|
| hope | 実現可能な願望 | 現在形で表し、現実的な期待を表す。 |
| wish | 実現困難・不可能な願望 | 仮定法を用い、後悔や空想に使う。 |
hope=叶うかもしれない願い、wish=叶いそうにない願い。
この感覚を身につけると、感情表現の幅が大きく広がります。