bring upraise は、
どちらも日本語では「育てる」と訳されることが多く、
英語学習者が非常に混乱しやすいペアです。

さらに bring up には
「話題に出す」「持ち出す」という意味もあり、

  • 育てるの?
  • 話すの?

と、頭の中がごちゃっとしてしまいがちです。

しかし実際の英語では、
この2語は視点と関心の向きがまったく異なります。

この記事では、

  • bring up / raise の本質的な違い
  • 「育てる」ときに何を見ている動詞なのか
  • なぜ bring up は「話題」にも使えるのか
  • 会話・教育・ビジネスで迷わない判断基準

を、「行為」と「結果」「感情」と「事実」という軸で徹底的に整理します。


結論:bring up は「関わり」、raise は「成長させる行為」

まず結論から整理します。

  • bring up:人として育てる/話題として持ち出す(関与・プロセス重視)
  • raise:成長させる/数量・レベルを上げる(結果・変化重視)

言い換えると、

bring up = 関わり続けることに焦点
raise = 上げる・増やすという変化に焦点

この視点を持つと、意味が一気に整理されます。


1. まずは例文で直感的に違いをつかむ

She was brought up by her grandparents.
彼女は祖父母に育てられました。
They raised three children.
彼らは3人の子どもを育てました。

①では、

  • 誰が関わったか
  • どんな環境だったか

が自然に想像されます。

②では、

  • 人数
  • 結果としての「成長」

が前面に出ます。


2. bring up の正体①:「人として育てる」

bring up を「育てる」の意味で使うとき、

身体的な成長よりも、価値観・考え方・環境

に焦点があります。

つまり、

  • どんな考え方で育ったか
  • どんな文化で育ったか

といった背景を含みます。

He was brought up in a small town.
彼は小さな町で育ちました。

この文は、

  • 場所
  • 環境
  • 価値観

まで含んだ「育ち」を表しています。


3. bring up の正体②:「話題として持ち出す」

bring up にはもう一つ重要な意味があります。

会話の中で話題を持ち出す

という使い方です。

She brought up an interesting point in the meeting.
彼女は会議で興味深い点を持ち出しました。

ここでの共通点は、

「目に見えなかったものを場に引き上げる」

という感覚です。

人を育てるときも、話題を出すときも、

  • 何かを表に出す
  • 周囲と共有する

という動きが共通しています。


4. raise の正体①:「上に上げる・増やす」

raise の核心は、

位置・量・レベルを上げる

です。

そのため、raise は

  • 物理的
  • 数量的
  • 客観的

な変化と非常に相性が良いです。

They decided to raise the price.
彼らは価格を上げることにしました。

ここには感情は含まれていません。


5. raise の正体②:「生物を育てる」

raise は人にも使えますが、

「育てたという事実」

が中心です。

They raise chickens on the farm.
彼らは農場で鶏を飼育しています。

この文では、

  • 世話をして
  • 成長させ
  • 維持している

という行為と結果が重要です。


6. bring up と raise を入れ替えるとどうなるか

They brought up the price.

この文は、

  • 価格の話題を持ち出した

という意味になります。

一方、

They raised the price.

は、

  • 価格を実際に上げた

という意味になります。

結果の有無が決定的に違います。


7. なぜ日本人は bring up / raise を混同するのか

日本語の「育てる」は、

  • 関わること
  • 成長させること

を一語で表します。

しかし英語では、

  • 関わりのプロセス → bring up
  • 成長という結果 → raise

と分けて考えます。


8. 会話で迷ったときの即断ルール

迷ったら、次を自分に問いかけてください。

  • 育った環境・価値観の話? → bring up
  • 数量・レベル・結果を上げる? → raise

この判断で、ほぼ迷いません。


9. ネイティブが感じる温度差

She was brought up well.

→ 人柄・育ちの良さを評価

She raised three kids.

→ 事実としての子育て


10. まとめ:bring up は関わり、raise は上げる

表現 意味の中心
bring up 育て方・関与・話題に出す
raise 成長させる・数量やレベルを上げる

日本語訳ではなく、

「プロセスの話か、結果の話か」

で判断する。

それが、
bring up / raise を自然に使い分ける最大のコツです。