bring」と「take」はどちらも「持っていく・持ってくる」と訳されますが、英語では決定的な違いがあります。それは、物や人がどちらの方向へ動くかです。話し手・聞き手の位置が変わると選ぶ動詞も変わるため、日本語よりも方向性がシビアに扱われます。

この記事では、bring と take の違いを、例文・ニュアンス・似た表現とあわせて詳しく解説します。


結論

結論から言うと、

  • bring:話し手・聞き手「のほうへ」持ってくる
  • take:話し手・聞き手「から離れる方向へ」持っていく

つまり、bring=こちら側へ移動、take=あちら側へ移動 です。


1. bring と take の違い

まずは典型的な例文で違いを確認します。

① bring
Can you bring your laptop to the meeting?
会議にあなたのノートPCを持ってきてくれますか?
② take
Don’t forget to take your umbrella with you.
傘を持っていくのを忘れないでね。

①は「会議にいる側(聞き手)」に向かって物を運ぶイメージなので bring。
②は今いる場所から“外へ”移動するので take。

違いをまとめると:

  • bring:話し手・聞き手に近づく動き(方向=toward)
  • take:話し手・聞き手から離れる動き(方向=away from)

英語では、この「視点と方向」が絶対的な基準となります。


2. bring の意味と使い方(こちら側へ持ってくる)

bring は「持ってくる」の意味で、物や人をこちら側に移動させるときに使います。

話し手の位置、聞き手の位置、または会話の中心に向けて動くことがポイントです。

例文:

Can you bring me some water?
水を持ってきてもらえますか?
I’ll bring my friend to the party.
パーティーに友達を連れていきます。(話題の中心はパーティー会場)
Don’t forget to bring your ID.
身分証を持ってくるのを忘れないで。

bring の特徴:

  • 話し手・聞き手のいる場所へ向かう動き
  • 会話の“中心地点”に向かう場面でも使える
  • 「来る」イメージが基本となる

ネイティブは bring を「toward me / toward you」の感覚で使います。


3. take の意味と使い方(あちら側へ持っていく)

take は「持っていく」の意味で、
物や人が話し手・聞き手から離れる方向に移動するときに使います。

例文:

Please take this book home.
この本を家に持って帰ってください。
She took her kids to school.
彼女は子どもたちを学校に連れていきました。
Don’t take your phone into the bathroom.
携帯を浴室に持ち込まないで。

take の特徴:

  • 話し手・聞き手から“離れる”動き
  • 任意の場所へ移動させるニュアンス
  • go と相性がよく、客観的な移動に使われる

「ここから離れる → take」が基本イメージです。


4. 似た英語表現

4-1. carry(運ぶ)

例文
I carried the boxes upstairs.
箱を2階まで運びました。

方向性よりも「運搬」に焦点がある動詞。

4-2. fetch(取ってくる)

例文
Can you fetch me a towel?
タオルを取ってきてくれる?

“行って取って戻る”という動作が含まれる。

4-3. deliver(届ける)

例文
They delivered the package this morning.
今朝、その荷物を届けてくれました。

ビジネス寄りで「届ける」という完了動作が中心。


5. まとめ

表現 意味・ニュアンス 特徴
bring こちら側に持ってくる 話し手・聞き手・話題の中心に“近づく”方向。
take あちら側に持っていく 話し手・聞き手から“離れる”方向。

bring=こちらへ、take=あちらへ。
方向の感覚さえつかめば、英会話で自然な使い分けができるようになります。