「because of」と「due to」は、どちらも「〜が原因で」と訳される表現ですが、文法的な役割や使われ方に違いがあります。特に、because of は理由を補足する表現であるのに対し、due to は名詞を修飾する形容詞的な役割をもつことが大きなポイントです。混同しやすい表現ですが、違いを理解すると英文の正確性が大きく向上します。
結論
結論から言うと、
- because of:理由を補足する。「〜が原因で」という状況説明に使う。
- due to:名詞を修飾する。「〜による」という形容詞的な働きをもつ。
どちらも原因を示せますが、because of は副詞句的、due to は形容詞句的という文法上の違いが使い分けの軸になります。
1. because of と due to の違い
違いを理解するために、まずは比較の例文を見てみます。
嵐が原因でフライトが遅れました。
その遅延は嵐によるものでした。
①は「遅れた理由」を説明しており、理由を文全体に補足する役割です。
②は「delay(遅延)」という名詞を修飾しており、「遅延=嵐によるもの」という関係を示しています。
ネイティブの感覚を整理すると、
- because of:状況の説明に使う(文章・会話どちらでも自然)
- due to:名詞との結びつきが強く、よりフォーマルに感じられる
両者は意味が似ているものの、文法的な位置関係で使い分けるのが自然です。
2. because of の意味と使い方
because of は「〜が原因で」「〜のせいで」という意味で、理由や原因を文全体に補足する副詞句として使われます。
後ろには名詞が続き、動詞・形容詞・文全体に対して理由を付け加える役割があります。
例文:
大雨のせいで私たちは家の中にいました。
停電が原因でイベントが中止されました。
交通渋滞が原因で彼女は遅刻しました。
because of の特徴:
- 理由を状況に対して説明する表現
- カジュアル・フォーマルどちらでも自然
- 文の位置も柔軟で使いやすい(文頭にも置ける)
使いやすく、最も汎用性が高い原因表現といえます。
3. due to の意味と使い方
due to は「〜による」「〜に起因する」という意味で、名詞を修飾する形容詞句として働きます。
基本的には be動詞 の直後に置かれることが多く、「A is due to B」の形が典型的です。
例文:
中止は嵐によるものでした。
彼の成功は努力によるものです。
騒音は工事によるものでした。
due to の特徴:
- 名詞を修飾するため、文の構造に一貫性をもたせたいときに向く
- フォーマル寄りで、ニュース・ビジネス文書でよく使われる
- because of の代用ではなく「名詞とのつながり」を意識する必要がある
because of と due to が置き換えられない例も多いことがポイントです。
4. 似た英語表現
4-1. owing to(〜のために)
The flight was delayed owing to bad weather.
悪天候のためフライトが遅れました。
意味は due to に近く、フォーマルな文脈で使用されます。
4-2. thanks to(〜のおかげで)
We succeeded thanks to your support.
あなたの支援のおかげで成功しました。
ポジティブな原因に限定して使われる便利な表現です。
4-3. because(〜なので)
We left early because it started raining.
雨が降り始めたので早く出ました。
文全体の理由を提示する最も基本的な接続詞です。
5. まとめ
| 表現 | 意味・ニュアンス | 特徴 |
|---|---|---|
| because of | 状況に対する理由を説明 | 副詞句。使いやすく汎用的 |
| due to | 名詞を修飾する「〜による」 | 形容詞句。フォーマルな響き |
because of は「理由の説明」、due to は「名詞とのつながり」を示す表現。
この違いを理解すると、状況説明と名詞修飾を正確に使い分けられるようになり、文章の精度が大幅に向上します。
