「because」と「since」は、どちらも「〜なので」「〜だから」と訳される接続詞ですが、英語では役割やニュアンスが明確に異なります。特に、理由を“説明したい”のか、“前提として示す”のかによって適切な選択が変わるため、両者の違いを理解しておくと英文の自然さが大きく向上します。この記事では、日常会話から文章まで幅広く使える使い分けを丁寧に解説します。
結論
結論から言うと、
- because:理由を明確に説明する。答えを提示するイメージ。
- since:理由は“既に共有されている前提”。そこから結果につなげる語。
どちらも日本語では「〜だから」と訳せますが、because は原因そのものに焦点があり、since は状況の前提から自然に結果を導くという違いがあります。
1. because と since の違い
まずは比較の例文を見てみます。
病気だったので家にいました。
病気だったので(当然の結果として)家にいました。
①は「なぜ?(理由)」への直接的な答えとして理由を提示しています。
一方②は、「体調が悪かった」という状況が前提として共有されているため、そこから“自然な流れとして結果を述べている”構造です。
ネイティブの感覚では、
- because = 理由を説明する言い方(会話でも文章でも万能)
- since = 文脈を踏まえた丁寧な理由の提示(文章寄り)
という違いがあります。
「理由を強調したいか」「前提として流したいか」で選ぶと自然な英文になります。
2. because の意味と使い方
because は、もっとも直接的に理由を述べる接続詞です。
学習者にとって扱いやすく、会話・文章のどちらでも自然に使えます。
相手が知らない情報を説明するときや、「なぜそうなのか?」に答える場面で最適です。
例文:
雨が降っていたので旅行を中止しました。
忙しかったので電話をしませんでした。
彼女は体調が悪かったので早く帰りました。
because のポイント:
- 理由をそのまま提示する最もストレートな表現
- 話し手が「理由を強調したい」ときに使う
- 文頭に置くと理由へのフォーカスがさらに強くなる(Because I was tired, I went to bed early.)
文章でも会話でも広く使えるので、迷ったら because を使えばまず問題ありません。
3. since の意味と使い方
since も「〜なので」と訳されますが、ニュアンスは大きく異なります。
理由そのものを説明するのではなく、“その状況は当然だよね”という前提をもとに結果を導くときに使います。
そのため英文では、文頭に置かれることが多いのも特徴です。
例文:
もう遅いので帰りましょう。
ルールは知っていると思うので、ゲームを始めましょう。
ここに引っ越してきてからずっと忙しいです。
since のポイント:
- 理由を“前提”として扱う
- 説明よりも流れを意識した丁寧な文になる
- フォーマル・文章寄り。会話では because より使用頻度は低め
- 「時間の since」と形が同じため、文脈判断が重要
特に文章では、because より since の方が柔らかく、文が滑らかになります。
4. 似た英語表現
4-1. as(〜なので)
As it was getting dark, we went home.
暗くなってきたので家に帰りました。
理由を背景として扱い、文章に自然につなげられる点で since に近い表現です。
4-2. due to(〜が原因で)
The flight was delayed due to heavy rain.
大雨が原因でフライトが遅れました。
名詞を後ろに置く原因表現で、フォーマルな文脈でよく使われます。
4-3. therefore(その結果)
It was raining; therefore, we stayed inside.
雨が降っていた。その結果、家にいました。
理由ではなく、「結果」を論理的に述べるときに使う接続語です。
5. まとめ
| 表現 | 意味・ニュアンス | ポイント |
|---|---|---|
| because | 理由を明確に説明する | 原因を強調したいとき |
| since | 前提を踏まえて結果につなげる | 文章寄りで丁寧な印象 |
because は“理由の説明”、since は“流れとしての理由”。
この違いを押さえておくだけで、英文に自然な論理性と説得力が生まれます。
