because と since は、どちらも「〜だから」と訳されるため、
英語学習者が早い段階で混同しやすい表現です。
文法書ではよく、
- because:理由
- since:理由(ややフォーマル)
のように説明されますが、
これだけでは「実際にどう使い分けるのか」は見えてきません。
実際の英語では、because と since は
「理由そのもの」よりも「話し手がどこに意識を置いているか」
によって使い分けられています。
この記事では、
- because と since の本質的な違い
- 会話と文章での使われ方
- なぜ日本人が混乱しやすいのか
- 迷わず選べる思考の軸
を丁寧に解説します。
結論:because は「理由の核心」、since は「背景・前提」
まず結論を整理します。
- because:なぜそうなったのかという直接の理由
- since:すでに共有されている前提・背景
言い換えると、
because は「だから◯◯だ」
since は「◯◯なのは分かっているよね、だから…」
というニュアンスの違いがあります。
1. まずは例文で違いを感じる
次の2文を比べてみましょう。
雨が降っていたから家にいました。
雨が降っていたので家にいました。
意味自体はほぼ同じに見えます。
しかし、話し手の意識は異なります。
①では、
- 「なぜ家にいたのか?」
- その答えとして「雨だったから」
という因果関係が強く意識されています。
②では、
- 「雨が降っていた」という状況はすでに分かっている
- それを前提に、次の話をしている
という背景説明に近い感覚です。
2. because の正体:理由そのものを伝える言葉
because は、「なぜ?」という問いに
正面から答えるための表現です。
話し手の頭の中では、
結果 → 理由
という順番で考えています。
because が自然な場面
- 理由を強調したいとき
- 相手が理由を知らないとき
- 質問に答えるとき
— Because I didn’t sleep well.
この場合、since は使えません。
相手が「なぜ?」と聞いている以上、
理由をはっきり示す because が必要だからです。
because は感情とも結びつきやすい
試験に合格したから嬉しいです。
感情の原因を説明するときも、
because がよく使われます。
このとき話し手は、
「嬉しい理由」に意識を向けています。
3. since の正体:共有された前提を示す言葉
since は、「理由」というよりも
すでに分かっている状況を示す表現です。
話し手の頭の中では、
前提 → 結論
という流れになっています。
since が自然な場面
- 理由が明らかなとき
- 背景説明として添えるとき
- 文章・説明文
雨が降っていたので、ピクニックを中止しました。
ここでは、
- 雨が降っている → 外の予定は中止
という流れが自然に共有されています。
そのため、理由を強調する必要がありません。
since は話を前に進めるための表現
since は、理由を説明するというより、
「話を進めるための前提条件」
として使われることが多いです。
せっかく来ているので、会議を始めましょう。
ここでの since は、
「なぜ会議を始めるのか」という理由を
厳密に説明しているわけではありません。
状況を受けて、次の行動に移っている感覚です。
4. なぜ日本人は because と since を混同するのか
日本語の「〜だから」「〜なので」は、
- 理由
- 背景
- 前提
を一つの表現でカバーします。
そのため、
- 理由を説明しているのか
- 状況を共有しているのか
をあまり意識せずに話しても成立します。
一方、英語では、
- 理由の核心 → because
- 共有された前提 → since
と、役割が分かれています。
この違いを無視すると、
「意味は合っているが、英語として少しズレる」
文章になりやすくなります。
5. 迷ったときの判断基準
迷ったら、次の質問を自分にしてください。
「相手はこの理由を知らない?」
- 知らない → because
- 知っている/分かっていそう → since
あるいは、
「理由を強調したい?」
- はい → because
- いいえ(前提として置きたい) → since
6. まとめ:because と since は「視線の向き」が違う
| 表現 | 話し手の意識 |
|---|---|
| because | なぜそうなったのか(理由の核心) |
| since | すでに共有されている背景・前提 |
日本語訳ではなく、
「今、自分は理由を説明したいのか、前提を置きたいのか」
という視点で選ぶ。
これができるようになれば、
because と since で迷うことはほとんどなくなります。