「almost」と「nearly」は、日本語ではどちらも「ほとんど」「もう少しで」と訳されますが、英語では使われ方やニュアンスにわずかな違いがあります。どちらを使っても意味が通じる場面は多いものの、ネイティブは文脈に応じて自然に使い分けています。この記事では、両者の違いを例文を交えながら詳しく解説します。
結論
結論から言うと、
- almost:事実・状態への“到達しそうな感覚”を表し、使える範囲が広い。
- nearly:数量・距離・状況など「あと少し」の“量的な近さ”を表す傾向が強い。
多くの場面で互換可能ですが、ニュアンスとしては、almost は汎用的、nearly は「あとわずか」感がより具体的という違いがあります。
1. almost と nearly の違い
両者の違いをつかむには、まずは例文で比較するのが一番わかりやすいです。
ほとんど終わっています。
ほとんど終わっています。
意味は同じですが、①は“終わった状態に近づいている”という進行のニュアンス、②は“量的にあと少しで終わる”という感覚がやや強くなります。
ネイティブの感覚を整理すると、
- almost:事実・状態に幅広く使える万能表現
- nearly:あと数%・あと数メートルなど数量的な“近さ”を連想しやすい
特に会話では almost の方が使用頻度が高いのも特徴です。
2. almost の意味と使い方
almost は「ほとんど」「もう少しで」という意味で、状況・動作・事実など幅広い場面で使えます。数量に限らず、抽象的な状態にも自然に使えるため、日常会話でもっとも汎用性の高い副詞です。
例文:
泣きそうでした。
夕食はほとんど準備できています。
彼はもう少しで勝つところでした。
almost の特徴:
- 物理的・心理的・抽象的な「状態の近さ」を表せる
- 非常に汎用的で、会話では nearly より使用頻度が高い
- 感情や状況など数量にできないものにも使える
特に、感情・行動・進行中の事柄に対して自然に使える点が almost の強みです。
3. nearly の意味と使い方
nearly は「ほとんど」「あと少しで」という点では almost と同じですが、量・距離・数などの“あとわずか”をイメージしやすい表現です。数値や具体的な達成度にフォーカスしたいときによく使われます。
例文:
その店は約5キロ弱の場所にあります。
私たちは1,000ドル近く貯金しました。
もうすぐ夜中です。
nearly の特徴:
- 数量・距離・金額・時間など、数値と相性が良い
- 「あと数%」「あと一歩」のような量的な近さを表す
- almost よりやや客観的な響きがある
特に数字を伴う表現では、nearly の方が「わずかに届かない」ニュアンスが明確になります。
4. 似た英語表現
4-1. about(約〜)
It’s about 10 minutes away.
そこは約10分の場所です。
数量の“ざっくり感”を表し、nearly よりも幅のある表現です。
4-2. roughly(おおよそ)
We have roughly 50 participants.
参加者はおおよそ50名です。
正確さを求めないときに使う、よりカジュアルな数量表現です。
4-3. almost all(ほとんどすべて)
Almost all students passed the exam.
ほとんどの学生が試験に合格しました。
「ほぼ全員・ほぼ全部」を強調する表現で、nearly all より自然です。
5. まとめ
| 表現 | 意味・ニュアンス | 特徴 |
|---|---|---|
| almost | 状態に“ほとんど”到達している | 抽象的な状況にも使える汎用表現 |
| nearly | 量的に“あと少し” | 数字・距離・金額との相性が良い |
almost は幅広く使える万能表現、nearly は量的な「あとわずか」を示す語。両者の微妙な違いを理解しておくと、具体性や自然さがぐっと高まります。
