hear of」と「hear about」は、どちらも日本語では「〜について聞く」と訳されますが、英語では表すニュアンスが大きく異なります。hear of は“存在を知っている程度”hear about は“詳しい話を聞く”という違いがあります。この2つを正しく使い分けると、ニュース・会話・ビジネスの場での理解が格段に正確になります。


結論

結論から言うと、

  • hear of:名前を聞いたことがある(存在を知っている程度)
  • hear about:内容・詳細について聞く(情報がある)

つまり、hear of=認知レベルhear about=情報理解レベル の違いです。


1. hear of と hear about の違い

まずは2つの例文を比較します。

① hear of
Have you heard of Emma Watson?
エマ・ワトソンって聞いたことある?
② hear about
Have you heard about her new movie?
彼女の新作映画について聞いた?

①は「名前を知っているか」を尋ねており、
②は「ニュース・詳細・内容を知っているか」を尋ねています。

違いは以下の通りです:

  • hear of:存在を知っているかどうか(知名度・噂レベル)
  • hear about:エピソード・ニュース・詳しい話を耳にしたか

この2つを混同すると、会話で意味が変わってしまうため注意が必要です。


2. hear of の意味と使い方(存在を知っている程度)

hear of は「〜を聞いたことがある」「名前を知っている」など、
表面的な認知 を表します。

詳しい内容を知っている必要はありません。

例文:

I’ve never heard of that restaurant.
そのレストラン、聞いたことがありません。
Have you heard of this app?
このアプリ、知ってる?
Everyone has heard of the Beatles.
ビートルズを聞いたことがある人は多いです。

hear of の特徴:

  • 存在・名前を知っているかを尋ねる
  • 詳細を知っている必要はない
  • 知名度チェックに使われる

「知ってる?」と軽く確認するときの定番表現です。


3. hear about の意味と使い方(情報・内容を聞く)

hear about は「〜について詳しく聞く」「ニュースを耳にする」など、
内容を含む情報 を指します。

何かが起きた、何かが発表された、というニュース性を含むことが多いです。

例文:

Did you hear about the accident?
その事故について聞いた?
I heard about your promotion! Congratulations.
昇進のこと聞いたよ!おめでとう。
We heard about the changes in the plan.
その計画の変更について聞きました。

hear about の特徴:

  • ニュース・出来事・エピソードの内容を指す
  • 「詳細まで含めて知っている」ニュアンス
  • 会話・ビジネス両方で頻出

「何が起きたか」を知っている場合はこちらを使います。


4. 似た英語表現

4-1. hear from(〜から連絡をもらう)

例文
I haven’t heard from him in weeks.
彼から何週間も連絡がありません。

“〜から聞く”であり、「連絡を受け取る」という意味。

4-2. learn about(〜について知る/学ぶ)

例文
We learned about the new system today.
今日、新しいシステムについて学びました。

hear about よりも能動的で、理解の深さがある。

4-3. find out(調べて知る)

例文
I’ll find out what happened.
何が起きたのか調べてみます。

「聞く」ではなく「調べて判明させる」という強い意味。


5. まとめ

表現 意味・ニュアンス 特徴
hear of 名前を聞いたことがある(存在を認知) 知名度や噂レベルの情報に使う。
hear about 〜について詳しい情報を聞く ニュース・詳細・出来事を耳にした場合に使う。

hear of=存在を知る、hear about=内容を知る。
この違いを押さえるだけで、情報に関する英会話・ビジネス表現が格段に自然になります。