each」と「every」は、どちらも日本語では「それぞれ」「毎〜」と訳されるため似た印象を持ちます。しかし英語では、each は“個別に1つずつ”every は“全体をひとまとめにして”見るという明確な違いがあります。この違いを理解すると、数量表現や説明文の精度が大きく向上します。


結論

結論から言うと、

  • each:個々を一つずつ見る。「それぞれの」。
  • every:全体をまとめて見る。「すべての/毎〜」。

つまり、each は“個別性”every は“全体性・規則性”を示す語です。


1. each と every の違い

まずは2つの例文でニュアンスの違いを確認します。

Each student has a laptop.
各学生がそれぞれノートPCを持っている。
Every student has a laptop.
学生全員がノートPCを持っている。

①は個々の学生を“1人ずつ”見ています。
②は学生の集団全体を“ひとまとめ”にしています。

ポイントをまとめると:

  • each:一つひとつに焦点
  • every:グループ全体を強調

意味が近いものの、視点が異なる英単語です。


2. each の意味と使い方

each は「個別」「1つずつ」を強調したいときに使います。
対象をバラバラにして、一つずつ丁寧に扱うイメージです。

例文:

She gave each child a gift.
彼女は子どもたち一人ひとりにプレゼントをあげた。
We checked each item carefully.
私たちは各アイテムを丁寧にチェックした。
Each of them has their own opinion.
彼ら一人ひとりにそれぞれの意見があります。

each の特徴:

  • 個別性を強調する
  • 少人数・少数の対象に使われることが多い
  • 単数扱いだが、“個々”を意識させる表現
  • each of + 複数名詞 の形でも使える

「個々に丁寧」「バラバラに扱う」といった印象が強い語です。


3. every の意味と使い方

every は「すべての」「毎〜」を表し、
全体をまとめて捉える表現です。数が多いものに対して使われるのが一般的です。

例文:

He goes to the gym every day.
彼は毎日ジムに行きます。
Every seat is taken.
すべての席が埋まっています。
Every child loves this game.
全ての子どもがこのゲームを愛しています。

every の特徴:

  • 全体をひとまとめにして捉える
  • 数が多い対象に自然
  • 規則的・反復的な意味(every day, every week)も持つ
  • 必ず単数名詞を後ろに続ける

「多くの対象をまとめて語る」感覚の語です。


4. 似た英語表現

4-1. all(全ての)

例文
All students passed the test.
学生全員がテストに合格しました。

every と似ているが、all は複数名詞を取る点が異なる。

4-2. any(どれでも/どれも)

例文
You can choose any item.
どれでも好きなものを選べます。

選択肢の自由を示す語で、each に近い使われ方をすることもある。

4-3. each and every(強調「一人残らず全員」)

例文
I appreciate each and every one of you.
あなたたち一人ひとりに感謝しています。

強い強調を伴う表現で、スピーチでもよく使われる。


5. まとめ

表現 意味・ニュアンス 特徴
each 各〜、それぞれ(個別性) 少数対象にも自然。one by one の感覚。
every すべての、毎〜(全体性) 多数をまとめる。規則性・反復性を含む。

each は“一つひとつを見る”、every は“全体を見る”。
似ているようで異なる視点の語なので、文脈に合った使い分けが重要です。