despite」と「in spite of」は、どちらも「〜にもかかわらず」を表す前置詞です。学校文法でもセットで習うため混同されやすいですが、実際にはdespite の方がよりコンパクトでフォーマルin spite of はやや口語的で柔らかい印象という違いがあります。意味はほぼ同じでも、文章のトーンやスタイルによって自然な使い分けが存在します。


結論

結論から言うと、

  • despite:フォーマルで文章に適した「〜にもかかわらず」。
  • in spite of:やや口語寄り。ニュアンスは despite と同じ。

意味の違いはほとんどありませんが、文章のスタイル・長さ・響きで選ぶことが多い表現です。


1. despite と in spite of の違い

まずは両者の例文を比較します。

Despite the rain, we went out.
雨にもかかわらず、私たちは出かけました。
In spite of the rain, we went out.
雨にもかかわらず、私たちは出かけました。

意味は同じですが、①の方が文章として締まって見えます。
どちらも前置詞のため、後ろには **名詞 / 動名詞(〜ing) / 名詞句** を置きます。

  • despite:単語でシンプル。文章向け。
  • in spite of:3語で構成。話し言葉でも比較的自然。

英語圏でも「despite の方がスッキリ見える」という意見が多く、ビジネスや論文では despite がよく使われます。


2. despite の意味と使い方

despite は「〜にもかかわらず」を意味する前置詞で、
in spite of よりフォーマルで簡潔という特徴があります。
文章の流れをスムーズにしたいときに特に使われます。

例文:

Despite his age, he runs fast.
年齢にもかかわらず、彼は速く走ります。
Despite working late, she woke up early.
遅くまで働いたにもかかわらず、彼女は早起きしました。
Sales increased despite the recession.
不況にもかかわらず売上が伸びました。

despite の特徴:

  • フォーマルで文章に適する
  • シンプルで短く、読みやすい
  • 動名詞(〜ing)も続けられる(despite being tired など)

ビジネス文書・論文では despite の方が好まれる傾向があります。


3. in spite of の意味と使い方

in spite of も「〜にもかかわらず」という意味の前置詞で、
日常会話でも文章でも使われますが、やや柔らかい印象があります。

例文:

In spite of his efforts, the plan failed.
努力にもかかわらず、その計画は失敗した。
In spite of feeling tired, she kept studying.
疲れていたにもかかわらず、彼女は勉強を続けました。
The game continued in spite of the heavy snow.
大雪にもかかわらず、試合は続行されました。

in spite of の特徴:

  • 柔らかく自然な響き
  • 日常会話でもよく使われる
  • despite より文章がやや長くなる

フォーマル度は despite の方が高いですが、使い方の自由度はほぼ同じです。


4. 似た英語表現

4-1. although(〜だけれども)

例文
Although it was cold, we went outside.
寒かったけれど、外に出ました。

接続詞のため、後ろに主語+動詞の文を置ける点が違う。

4-2. even though(〜にもかかわらず/強調)

例文
Even though he was tired, he kept working.
疲れていたにもかかわらず、彼は働き続けた。

although より逆接の度合いが強い。

4-3. regardless of(〜に関係なく)

例文
We accept everyone, regardless of age.
年齢に関係なく、誰でも受け入れます。

「〜に関係なく」という柔らかめの対立表現。


5. まとめ

表現 意味・ニュアンス 特徴
despite 〜にもかかわらず(フォーマル) 短くて読みやすい。文章向け。名詞・動名詞を続けられる。
in spite of 〜にもかかわらず(やや口語的) 柔らかい印象。意味は despite とほぼ同じ。

despite は“短くフォーマル”、in spite of は“自然で柔らかい”。
どちらも意味は同じですが、文章のトーンによって使い分けることでより自然な英語になります。