whether」と「if」は、どちらも日本語では「〜かどうか」と訳されるため同じ意味に見えます。しかし英語では、文の構造・丁寧さ・選択肢の扱いによって適切な使い分けが必要です。特に、whether はフォーマルで選択肢が明確な場合if は会話で一般的な場合に使われるという違いが重要です。


結論

結論から言うと、

  • if:会話で最も一般的な「〜かどうか」。条件文にも使われる。
  • whether:フォーマルで選択肢が明確な「〜かどうか」。to 不定詞の前に置ける。

つまり、if は軽い疑問whether は選択肢を意識した丁寧な表現です。


1. whether と if の違い

まずは基本例を比べます。

I don’t know if he will come.
彼が来るかどうか分かりません。
I don’t know whether he will come.
彼が来るかどうか分かりません。

意味は同じですが、②のほうがやや丁寧で、文章でも自然です。

さらに、**if では使えないパターンがある**のが大きな違いです。

I don’t know whether to go or stay.
行くべきか、留まるべきか分かりません。

この位置に if は使えません(× if to go)。

ポイントをまとめると:

  • if:カジュアル・会話向き。使える範囲は広いが制限もある。
  • whether:丁寧・フォーマル。選択肢を意識。if が置けない場所にも使える。

2. if の意味と使い方

if は「〜かどうか」を表す最も一般的な表現で、
日常会話ではこちらが圧倒的に使われます。

ただし、if には「もし〜なら」の意味もあるため、
文脈によっては条件文と誤解されることがあります。

例文:

I’ll ask her if she’s free.
彼女が暇かどうか聞いてみます。
I’m not sure if he likes it.
彼がそれを好きかどうか確かではありません。
Tell me if you need help.
助けが必要なら教えてください。(←条件文)

if の特徴:

  • 会話で一般的。使いやすい。
  • 「条件の if」と重なることがある。
  • to 不定詞の前には置けない(× if to go)。

柔らかい口調の「〜かどうか」として使われる一方、文法上の制約もあります。


3. whether の意味と使い方

whether は「〜かどうか」「〜であろうと」のような強調を含み、
フォーマルで文章に適した表現です。

if と異なる点は次の3つです:

① 選択肢が明確なときに使われる

例文:

We discussed whether we should stay or leave.
残るべきか出発すべきかを議論しました。

選択肢(stay / leave)が明確で、whether が自然です。

② whether は to 不定詞の前に置ける

例文:

I’m not sure whether to go.
行くべきかどうか迷っています。

if to go は文法的に誤りです。

③ 文頭に置いても自然

例文:

Whether he will come is unclear.
彼が来るかどうかは不明です。

if では違和感があります(× If he will come is unclear)。

whether の特徴:

  • 文章で丁寧・フォーマル
  • 選択肢が明確なときに使う
  • to 不定詞の直前に置ける
  • 文頭に来ても自然

英作文やビジネスメールでは whether の方が適切なケースが多いです。


4. 似た英語表現

4-1. if or not(口語の「〜かどうか」)

例文
I don’t know if he’ll come or not.
彼が来るかどうか分かりません。

口語で一般的。意味は whether or not と同じ。

4-2. whether or not(より丁寧)

例文
We’ll go whether or not it rains.
雨が降ろうと降るまいと、行きます。

whether 特有の構造で if には置き換えられない。

4-3. no matter if(カジュアルな「たとえ〜でも」)

例文
I’ll support you no matter if you fail.
たとえ失敗しても、あなたを支えます。

ややカジュアルで、文章ではあまり使われない。


5. まとめ

表現 意味・ニュアンス 特徴
if 〜かどうか(カジュアル) 会話で一般的。条件文の if と同じ形。to 不定詞の前に置けない。
whether 〜かどうか(丁寧・フォーマル) 選択肢を意識。to 不定詞の前に置ける。文頭でも自然。

if はカジュアルで会話向き、whether は丁寧で文章向き。
用途・位置・文法構造によって使い分けることで、より自然で正確な英語表現が身につきます。