「however」と「but」は、どちらも「しかし」「けれども」と訳されるため同じように見えます。しかし英語では、文の構造・フォーマル度・文中での位置によって使い分けが必要です。特に、however は文頭・文中・文末で使える接続副詞、but は文と文をつなぐ接続詞という役割の違いが重要です。
目次
結論
結論から言うと、
- but:会話で自然に使われる「しかし」。文と文を直接つなぐ接続詞。
- however:フォーマルで文章向き。「しかしながら」。文を区切って使う接続副詞。
つまり、but は口語向き、however は書き言葉向きという大きな違いがあります。
1. however と but の違い
まずは例文で比較してみます。
① I wanted to go, but I was too tired.
行きたかったが、とても疲れていた。
行きたかったが、とても疲れていた。
② I wanted to go. However, I was too tired.
行きたかった。しかし、疲れすぎていた。
行きたかった。しかし、疲れすぎていた。
①は会話に自然で、文と文をそのまま接続しています。
②は文をいったん区切り、文章として論理的に逆接を示しています。
さらに、however の特徴として文末にも置けます。
③ I wanted to go. I was too tired, however.
行きたかった。だが、疲れすぎていた。
行きたかった。だが、疲れすぎていた。
ポイントを整理すると:
- but:会話で最も一般的。カジュアルで簡潔。
- however:丁寧・論理的・フォーマル。位置の自由度が高い。
2. but の意味と使い方
but は、「しかし」「でも」にあたる接続詞で、
文と文を直接つなげるシンプルな逆接を表します。
例文:
① She is kind, but strict.
彼女は優しいが、厳しい。
彼女は優しいが、厳しい。
② I called him, but he didn’t answer.
彼に電話したが、出なかった。
彼に電話したが、出なかった。
③ I want to go, but I can’t.
行きたいけれど、行けません。
行きたいけれど、行けません。
but の特徴:
- 口語で最もよく使われる逆接
- 文と文を“直接”つなぐ
- 文頭に置くのは避けられがち(可能ではあるがカジュアル)
会話・メール・チャットなど、日常のコミュニケーションでは but が標準です。
3. however の意味と使い方
however は「しかしながら」を意味する接続副詞で、
文を区切って論理的につなぐ役割を持ちます。
フォーマルさを出したいエッセイ、ビジネス文書、学術文書でよく使われます。
例文:
① I understand your point. However, I disagree.
あなたの意見は理解します。しかし私は反対です。
あなたの意見は理解します。しかし私は反対です。
② The plan is good. It’s risky, however.
その計画は良い。だがリスクがある。
その計画は良い。だがリスクがある。
③ However hard he tried, he couldn’t succeed.
どれだけ頑張っても、彼は成功できなかった。
どれだけ頑張っても、彼は成功できなかった。
however の特徴:
- 文頭・文中・文末のどこでも使用可能
- フォーマルで論理的
- 文をいったん分けるため、but より丁寧な印象を与える
特に、ビジネスメールで「反対意見を穏やかに述べたい」ときに非常に役立ちます。
4. 似た英語表現
4-1. nevertheless(それでもなお)
例文
It was raining. Nevertheless, we continued the game.
雨が降っていた。それでもなお、試合を続けた。
It was raining. Nevertheless, we continued the game.
雨が降っていた。それでもなお、試合を続けた。
however よりも逆接の度合いが強い表現です。
4-2. on the other hand(その一方で)
例文
He likes cities. On the other hand, she prefers the countryside.
彼は都会が好き。一方で、彼女は田舎を好む。
He likes cities. On the other hand, she prefers the countryside.
彼は都会が好き。一方で、彼女は田舎を好む。
対比を示すときに便利な表現です。
4-3. still(それでも)
例文
I was tired. Still, I went to the gym.
疲れていた。それでもジムに行った。
I was tired. Still, I went to the gym.
疲れていた。それでもジムに行った。
会話でよく使われる軽めの逆接です。
5. まとめ
| 表現 | 意味・ニュアンス | 特徴 |
|---|---|---|
| but | しかし(カジュアル) | 文を直接つなぐ。会話で最も自然。 |
| however | しかしながら(フォーマル) | 文章で丁寧・論理的。文頭・文中・文末に置ける。 |
but は会話の逆接、however は文章の逆接。
この違いを理解すると、文章のトーンや論理構造を適切にコントロールできるようになります。