「although」と「though」はどちらも「〜だけれど」「〜にもかかわらず」と訳されるため、同じ意味に見えます。しかし英語では、形式的な文に向いているのが although、会話などで自然に使われるのが though という違いがあります。また、though は文末に置けるという特徴があり、この点が両者を分ける最大のポイントです。
目次
結論
結論から言うと、
- although:フォーマル寄り。「〜だけれども」。文頭・文中のみで使用。
- though:カジュアル寄り。同じ意味だが、文末にも置ける。
つまり、意味はほぼ同じでも、使われ方・文のスタイル・位置の自由度が異なるということです。
1. although と though の違い
まずは2つの例文を比較します。
① Although it was raining, we went out.
雨が降っていたけれど、私たちは出かけました。
雨が降っていたけれど、私たちは出かけました。
② We went out, though it was raining.
雨が降っていたけれど、私たちは出かけました。
雨が降っていたけれど、私たちは出かけました。
意味は同じですが、①はフォーマル寄りの構文、②は会話でも自然です。
さらに、though にしかできない使い方があります。
③ It was raining. We went out, though.
雨が降っていた。だけど、それでも出かけた。
雨が降っていた。だけど、それでも出かけた。
このように、文末に置けるのは though の大きな特徴です。
ポイントを整理すると:
- although:フォーマル/文をやや固くする
- though:カジュアル/文末で「〜だけどね」と補足可能
2. although の意味と使い方
although は「〜だけれども」「〜にもかかわらず」を表し、
ややフォーマルで書き言葉によく使われます。
文頭・文中どちらにも置けますが、文末には置けません。
例文:
① Although he was tired, he kept working.
彼は疲れていたけれど、仕事を続けました。
彼は疲れていたけれど、仕事を続けました。
② She enjoyed the trip, although it was short.
短い旅行だったけれど、彼女は楽しみました。
短い旅行だったけれど、彼女は楽しみました。
③ Although it’s expensive, I’ll buy it.
高いけれど、買います。
高いけれど、買います。
although の特徴:
- フォーマル・書き言葉で使用頻度が高い
- 「逆接」を強調する役割がある
- 文末に置くことはできない
ビジネス文書や論理的な文章では although が好まれます。
3. though の意味と使い方
though は although とほぼ同じ意味を持ちますが、
会話で圧倒的に使われる自然な単語です。
特に重要なのが、文末に置ける柔軟さです。
例文:
① I liked the movie. The ending was strange, though.
映画は好きだったよ。エンディングは変だったけどね。
映画は好きだったよ。エンディングは変だったけどね。
② I wanted to go. I couldn’t, though.
行きたかった。だけど行けなかった。
行きたかった。だけど行けなかった。
③ Though I was tired, I kept studying.
疲れていたけど、勉強を続けました。
疲れていたけど、勉強を続けました。
though の特徴:
- カジュアルで会話に自然
- 文中・文頭・文末どこでも使える
- 文末では「〜だけどね」「とはいえ」のような軽い逆接になる
特に文末の though は、ネイティブの会話で非常に頻出します。
4. 似た英語表現
4-1. even though(〜だけれども・強い逆接)
例文
Even though it was cold, we went swimming.
寒かったにもかかわらず泳ぎに行きました。
Even though it was cold, we went swimming.
寒かったにもかかわらず泳ぎに行きました。
although より“逆接の度合いが強い”表現です。
4-2. despite / in spite of(〜にもかかわらず)
例文
Despite the rain, we went out.
雨にもかかわらず出かけました。
Despite the rain, we went out.
雨にもかかわらず出かけました。
後ろに名詞がくる構文のため、文章がすっきりします。
4-3. however(しかしながら)
例文
It was raining. However, we went out.
雨が降っていた。しかし私たちは出かけました。
It was raining. However, we went out.
雨が降っていた。しかし私たちは出かけました。
文と文を完全に切り分ける、よりフォーマルな逆接表現です。
5. まとめ
| 表現 | 意味・ニュアンス | 特徴 |
|---|---|---|
| although | 〜だけれども(ややフォーマル) | 文頭・文中のみ。文末不可。文章で好まれる。 |
| though | 〜だけど(カジュアル) | 文末に置ける。会話で最も一般的。 |
although は「固めの逆接」、though は「柔らかく自然な逆接」。
場面に応じて使い分けることで、英語表現の幅が大きく広がります。