「日本の英語教育では、なかなか英語が話せるようにならない」
こうした意見を耳にすることは少なくありません。

しかし一方で、日本の英語教育を土台にしながら、
社会人になってから英語を話せるようになった人が数多く存在するのも事実です。

つまり問題は、「日本の英語教育が悪い」ことではありません。
英語教育の強みが、スピーキングに正しく接続されていないだけなのです。

この記事では、日本の英語教育の特徴を冷静に整理しながら、
その強みを活かしてスピーキングが得意になるための考え方と学び方を詳しく解説します。


日本の英語教育が育ててきた「強み」とは何か

まず前提として、日本の英語教育は決してゼロから英語を教えているわけではありません。
むしろ、世界的に見ても非常に高い基礎力を育てています。

多くの学習者が身につけているのは、次のような力です。

  • 文法構造を論理的に理解する力
  • 文章を正確に読む力
  • 語彙の意味を細かく区別する力

これは、英語を「感覚」だけでなく、
構造として理解できるという大きな強みです。

実際、海外では
「文法をここまで体系的に学んだことがない」
という学習者も珍しくありません。


スピーキングが得意になるために必要な視点

では、なぜこの高い基礎力が、
スピーキングにつながりにくいと感じられるのでしょうか。

その理由は単純で、
スピーキングに必要な力が「別物」だからです。

スピーキングでは、次のような能力が求められます。

  • 瞬時に言葉を選ぶ力
  • 完璧でなくても話し続ける力
  • 簡単な表現で言い切る力

これは、テストや読解とは異なる筋肉を使う行為です。


日本の英語教育をスピーキングに活かすコツ①「正確さ」を一度脇に置く

日本の英語教育で身につく最大の力は正確さです。

しかしスピーキングでは、
正確さよりも即時性が重要になります。

例:
I go there yesterday.
(文法的には不完全だが、意味は十分に伝わる)

このような文は、日本の教育では「間違い」とされがちですが、
実際の会話ではまったく問題ありません。

スピーキングが得意になる人は、
「正しい英語」ではなく使える英語を優先します。


日本の英語教育をスピーキングに活かすコツ②「知っている英語を使う」

多くの人は、「話せない理由」を
「単語が足りない」「表現を知らない」ことに求めます。

しかし実際には、
知っている英語を使い切っていないケースがほとんどです。

例:
I don’t know the word, but it’s like a big box.
(単語が分からなくても説明できる)

日本の英語教育で身についた語彙や文法は、
すでに会話に十分な量があります。

必要なのは、新しい知識ではなく、
使い回す練習です。


日本の英語教育をスピーキングに活かすコツ③「音」に慣れる

読み書き中心の学習では、
どうしても「音の処理」が後回しになります。

スピーキングを伸ばすには、
英語の音をかたまりで捉えることが重要です。

発音例:
Did you eat it? → /ˈdɪdʒuː ˈiːtɪt/
(ディジュ イーティット)

このように、実際の英語は
教科書どおりには発音されません。

日本の英語教育で身につけた知識に、
音の感覚を重ねることで、
スピーキングは一気に実用的になります。


日本の英語教育をスピーキングに活かすコツ④「一人で話す練習」を取り入れる

スピーキングは、必ずしも相手が必要ではありません。

むしろ最初は、

  • 今日やったことを英語で言う
  • 頭に浮かんだ日本語を簡単な英語にする
  • 短く言い切る

といった独り言が非常に効果的です。

例:
I’m tired.
I worked a lot today.
I want to relax.

日本の英語教育で蓄えた知識は、
この段階で初めて「話す力」に変換されます。


日本の英語教育は「話せる英語」の土台になっている

ここまで見てきたように、
日本の英語教育はスピーキングの敵ではありません。

むしろ、

  • 文法理解
  • 語彙力
  • 読解力

という強固な土台をすでに作っています。

足りなかったのは、
「話す方向への接続」だけです。


まとめ

日本の英語教育でスピーキングが得意になるには、

  • 正確さより伝達を優先する
  • 知っている英語を使い切る
  • 音に慣れる
  • 一人で話す時間を作る

この4つを意識するだけで、
学習の方向性は大きく変わります。

日本の英語教育は、決して失敗ではありません。
正しく使えば、話せる英語への最短ルートになります。

必要なのは、新しい教材ではなく、
見方を変えることなのです。