lend」と「borrow」は、日本語ではどちらも「貸す・借りる」に関わる表現ですが、英語では主語が誰か物の移動方向によって使い分けが完全に分かれます。

混同しやすいペアですが、違いを理解すれば英会話でもビジネスでも自然に使えるようになります。

この記事では、lend と borrow の違いを例文・ニュアンス・関連表現とともに詳しく解説します。


結論

結論から言うと、

  • lend:自分のものを“相手に貸す”
  • borrow:相手のものを“自分が借りる”

つまり、lend=貸す(give temporarily)、borrow=借りる(take temporarily) が基本構造です。


1. lend と borrow の違い

まずは両者のイメージをつかむために例文を見ます。

① lend
Can you lend me your pen?
あなたのペンを貸してもらえますか?
② borrow
Can I borrow your pen?
あなたのペンを借りてもいいですか?

①は話し手から見て「相手が貸す」動作、
②は話し手が「借りる」動作。

方向と主語が異なるだけで、日本語の「貸す・借りる」は英語では明確に分かれます。

整理すると:

  • lend:所有者 → 相手へ渡す(貸す)
  • borrow:所有者 → 自分が受け取る(借りる)

2. lend の意味と使い方(貸す)

lend は「貸す」という行為を表し、
自分の物やお金を相手に無償で一時的に提供するときに使います。

例文:

I’ll lend you some money.
少しお金を貸します。
Can you lend me your car for a day?
1日だけ車を貸してもらえますか?
She lent her book to Tom.
彼女はトムに本を貸しました。

ポイントは、lend の後には「相手」が置かれることが多いという点です。

構造は:

  • lend + 人 + 物(最も自然)
  • lend + 物 + to 人

3. borrow の意味と使い方(借りる)

borrow は「借りる」という行為で、
相手の持ち物を自分が受け取るときに使います。

例文:

Can I borrow your phone?
携帯を借りてもいい?
I borrowed a book from the library.
図書館で本を借りた。
She borrowed his notes.
彼女は彼のノートを借りました。

borrow は lend と異なり、相手(人)を目的語にできないという重要なルールがあります。

  • × I borrowed him a pen.
  • ○ I borrowed a pen from him.

この違いは日本語話者が特に混同しやすいポイントです。


4. 似た英語表現

4-1. rent(お金を払って借りる)

例文
We rented a car for the weekend.
週末に車をレンタルしました。

料金を支払って借りる場合は rent。

4-2. lease(長期契約で借りる/貸す)

例文
They leased the office for two years.
彼らは2年間オフィスをリース契約した。

車・土地・建物など長期契約で使う。

4-3. loan(貸す/融資する:金銭に特化)

例文
The bank loaned him $10,000.
銀行は彼に1万ドルを貸した。

lend よりもフォーマルで金銭的文脈が中心。


5. まとめ

表現 意味・ニュアンス 特徴
lend 自分のものを相手に貸す lend + 人 + 物 が自然。方向は「相手へ」。
borrow 相手のものを自分が借りる borrow + 物 + from 人 の形を取る。

lend=貸す、borrow=借りる。
主語と方向を意識するだけで、文の正確さが格段に上がります。