1. はじめに
英語で意外と難しいのが「断る表現」です。言いたい内容はシンプルでも、言い方を間違えると冷たく聞こえたり、関係性に影響が出てしまうことがあります。
日本語では「今回はちょっと…」「また機会があれば」と自然にぼかしますが、英語でも同じようにクッションを置きながら断るのが基本です。ネイティブは、いきなり No と言うことはほとんどありません。
この記事では、ネイティブが日常会話やビジネスシーンでよく使う「断り方フレーズ」を、
軽い断り/丁寧な断り/理由を添える断り/提案を残す断りなどに分けて解説します。
相手との関係を壊さずに断るための言い回しを身につけていきましょう。
2. まず押さえたい断りの基本構造
英語の断りは、次の流れが基本です。
- ① クッション(気持ち・感謝・残念さ)
- ② 断りの内容
- ③ 理由や代替案(必要に応じて)
いきなり断るのではなく、相手への配慮を言葉にすることが重要です。
3. 軽く断るときのフレーズ(カジュアル)
I can’t this time.
「今回は無理です」というシンプルな断りです。親しい間柄で使われます。
I can’t this time, but thanks for asking. (今回は無理だけど、声をかけてくれてありがとう)
必ず thanks を添えると印象が柔らかくなります。
Not this time.
「今回はやめておきます」という軽い断りです。
Not this time. Maybe next week. (今回はやめておきます。来週ならいいかも)
理由を深く説明しない場面向きです。
I’ll pass.
「今回は遠慮します」という意味のカジュアル表現です。
I’ll pass. I’m kind of tired today. (今日はちょっと疲れているので遠慮します)
ビジネスでは避け、友人同士で使います。
4. 丁寧に断るときの定番フレーズ
I’m afraid ~
「残念ですが〜」という、断りの定番クッションです。
I’m afraid I can’t make it tomorrow. (残念ですが、明日は参加できません)
ネガティブな内容を和らげる効果があります。
Unfortunately, ~
「残念ながら」という意味で、ややフォーマルです。
Unfortunately, I won’t be able to attend the meeting. (残念ながら、その会議には出席できません)
ビジネスメールで頻出します。
I’m sorry, but ~
謝罪を含めた丁寧な断りです。
I’m sorry, but I already have plans. (申し訳ありませんが、すでに予定があります)
謝りすぎにならないよう注意します。
5. 理由を添えて断るフレーズ
I have other commitments.
「他の予定があります」という便利な表現です。
I can’t join because I have other commitments. (他の予定があるので参加できません)
具体的に言いたくないときに使えます。
I’m tied up with ~
「〜で手が離せない」という意味です。
I’m tied up with work today. (今日は仕事で手が離せません)
忙しさを理由にする自然な言い方です。
It’s a bit difficult for me.
「私には少し難しいです」という婉曲表現です。
It’s a bit difficult for me to do that right now. (今それをするのは少し難しいです)
直接的に断らず、余地を残します。
6. 気持ちを示しつつ断るフレーズ
I wish I could, but ~
「できればそうしたいのですが〜」という表現です。
I wish I could help, but I’m busy today. (手伝いたいのですが、今日は忙しいです)
相手への配慮が強く伝わります。
I’d love to, but ~
「ぜひそうしたいのですが〜」という気持ちを先に伝えます。
I’d love to join, but I have another appointment. (参加したいのですが、別の予定があります)
社交的な断り方として非常に便利です。
It’s not that I don’t want to, but ~
「やりたくないわけではないのですが」という前置きです。
It’s not that I don’t want to, but I don’t have time. (やりたくないわけではないのですが、時間がありません)
誤解を防ぐための表現です。
7. 代替案を出して断るフレーズ
Maybe another time.
「また別の機会に」という表現です。
I can’t today, but maybe another time. (今日は無理ですが、また別の機会に)
関係を前向きに保てます。
How about ~ instead?
別案を提案する言い方です。
How about next week instead? (代わりに来週はどうですか)
単なる拒否で終わらせません。
Can we reschedule?
日程変更を提案する断りです。
Can we reschedule for later this week? (今週後半に日程を変更できますか)
ビジネスシーンでよく使われます。
8. 断りで避けたいNG表現
以下のような表現は、状況によっては冷たく聞こえます。
- No.(理由なし)
- I can’t.(短すぎる)
- That’s impossible.(強すぎる)
クッションを一言添えるだけで印象は大きく変わります。
9. まとめ
英語での断りは、「断る内容」よりも「どう伝えるか」が重要です。
ネイティブは、感謝・残念さ・気持ちを先に示してから断ります。
すべてを使い分ける必要はありませんが、I’m afraid / I’d love to, but / Maybe another time などの定番表現を押さえておくだけで十分対応できます。
断り方が上手くなると、英語での人間関係もスムーズになります。
まずは一言クッションを置く習慣から身につけていきましょう。