1. はじめに
英語で会話をしていると、「文と文がぶつ切りになる」「話が続かない」「言いたいことはあるのに、うまくつなげられない」と感じることは多いです。
その原因の多くは、つなぎフレーズ(ディスコースマーカー)が不足していることにあります。
ネイティブの会話を聞くと、実は完璧な英文を並べているわけではありません。
代わりに、「えーと」「それで」「つまり」といった役割の言葉を頻繁に使い、会話を自然につないでいます。
この記事では、ネイティブが日常会話でよく使う英語のつなぎフレーズを、
話を始める/話を続ける/話題を追加する/言い換える/結論をまとめる
といった機能別に整理して解説します。
「英語が途切れがち」という方は、まずつなぎフレーズから整えていきましょう。
2. 話を始めるときのつなぎフレーズ
Well,
考えながら話し始めるときの定番フレーズです。日本語の「えーと」「そうですね」に近い役割をします。
Well, I’m not sure about that. (えーと、それについてはよくわかりません)
沈黙を避け、自然に話し出すためのクッションになります。
So,
話題を切り出したり、本題に入るときによく使われます。
So, what do you think about the plan? (それで、その計画についてどう思いますか)
会話の流れをコントロールする役割があります。
Actually,
話題を少し修正したり、本音を切り出すときに使います。
Actually, I wanted to ask you something. (実は、聞きたいことがありました)
前置きとして非常に使い勝手のよい表現です。
To be honest,
「正直に言うと」という意味で、本音を述べる前のつなぎです。
To be honest, I was a bit confused. (正直なところ、少し混乱していました)
率直さを示しつつ、柔らかく切り出せます。
3. 話を続ける・間をつなぐフレーズ
You know,
相手の理解を前提にしながら話を続けるフレーズです。
You know, it wasn’t an easy decision. (ほら、簡単な決断じゃなかったんです)
多用しすぎると冗長になりますが、自然な間つなぎになります。
I mean,
言い直しや補足をするときに使われます。
It was tough — I mean, really exhausting. (大変でした。というか、本当に疲れました)
考えを整理しながら話すときに便利です。
Like,
カジュアルな会話で非常によく使われる間つなぎです。
It was, like, totally unexpected. (それは、なんというか、完全に予想外でした)
フォーマルな場では避けたほうが無難です。
Let me see,
考える時間を作るためのつなぎです。
Let me see, I think it was last year. (ええと、確か去年だったと思います)
沈黙を不自然にしない効果があります。
4. 話題を追加・展開するときのつなぎフレーズ
And also,
情報を追加するときの基本表現です。
And also, we need to consider the budget. (それに加えて、予算も考慮する必要があります)
書き言葉・話し言葉どちらでも使えます。
Besides,
「その上」「さらに」という意味で、理由や要素を追加します。
Besides, it’s not that expensive. (それに、それほど高くありません)
やや論理的な印象になります。
On top of that,
「それに加えてさらに」という強調表現です。
On top of that, we were short on time. (その上、時間も足りませんでした)
問題や要素が重なっていることを示します。
Another thing is ~
話題を一つ追加するときに使います。
Another thing is the schedule. (もう一つはスケジュールです)
整理された話し方に聞こえます。
5. 言い換え・補足をするときのつなぎフレーズ
In other words,
「言い換えると」という意味で、説明をわかりやすくします。
In other words, we need more time. (つまり、もっと時間が必要です)
少しフォーマル寄りです。
That is,
短く補足説明を入れるときに使われます。
We’ll meet on Friday, that is, if everyone agrees. (金曜に集まります。つまり、全員が同意すればですが)
書き言葉にもよく使われます。
What I mean is ~
誤解を修正するときの表現です。
What I mean is, it’s not urgent. (言いたいのは、緊急ではないということです)
丁寧に言い直す印象になります。
6. 話題を切り替えるときのつなぎフレーズ
By the way,
「ところで」という意味の定番フレーズです。
By the way, did you finish the report? (ところで、レポートは終わりましたか)
軽い話題転換に向いています。
Speaking of ~
直前の話題に関連づけて話を変えます。
Speaking of work, how’s your new job? (仕事といえば、新しい職場はどうですか)
自然な流れを作れます。
That reminds me,
何かを思い出した流れで話題を変えます。
That reminds me, I need to tell you something. (それで思い出しましたが、伝えたいことがあります)
唐突さを和らげます。
7. まとめ・結論につなぐフレーズ
So,
結論や次の行動につなげるときに使われます。
So, let’s decide by tomorrow. (では、明日までに決めましょう)
非常に使用頻度が高い表現です。
In the end,
「結局のところ」という意味です。
In the end, we chose the simpler option. (結局、よりシンプルな案を選びました)
結果をまとめるときに使います。
To sum up,
「まとめると」という表現です。
To sum up, we need more preparation. (まとめると、もっと準備が必要です)
ややフォーマルですが、整理された印象になります。
8. まとめ
英語のつなぎフレーズは、文法以上に「会話らしさ」を左右します。
完璧な英文を作ろうとするよりも、間をつなぎ、流れを作ることが重要です。
すべてを覚える必要はありません。
まずは Well / So / I mean / By the way など、使用頻度の高いものから自然に使えるようにしましょう。
つなぎフレーズが増えると、英語は一気に「話せている感」が出てきます。
会話を止めないための道具として、ぜひ積極的に使ってみてください。