1. はじめに
英語で話していると、「ここは強く伝えたい」「本当に重要なポイントだとわかってほしい」と感じる場面がよくあります。
ところが実際には very や really ばかり使ってしまい、表現が単調になりがちです。
ネイティブは、声を大きくするだけでなく、語彙・言い回し・構文を使って自然に強調します。
強調の仕方を間違えると、大げさに聞こえたり、逆に重要性が伝わらなかったりします。
この記事では、ネイティブが日常会話やビジネスでよく使う「強調するときの英語フレーズ」を、
副詞で強調する/文全体を強調する/感情を込めて強調する/注意・重要点を強調する
という観点で整理して解説します。
「very 依存」から抜け出し、自然に強調できる表現力を身につけていきましょう。
2. 副詞を使って強調するフレーズ
really
最も基本的な強調副詞で、口語で頻繁に使われます。
This is really important. (これは本当に重要です)
便利ですが、多用すると軽く聞こえる点には注意が必要です。
very
形容詞・副詞をシンプルに強調します。
I’m very glad to hear that. (それを聞いてとても嬉しいです)
フォーマル寄りですが、強さは控えめです。
extremely
「非常に」「極めて」という意味で、強い強調になります。
This is extremely difficult. (これは極めて難しいです)
書き言葉やビジネスでも使われます。
incredibly
驚きを含んだ強調表現です。
She’s incredibly talented. (彼女は信じられないほど才能があります)
ポジティブな評価でよく使われます。
absolutely
完全性・断定を強調します。
I’m absolutely sure about this. (これについては絶対に確信しています)
主観的な断言になるため、使いどころを選びます。
3. 文全体を使って強調するフレーズ
What’s really important is ~
重要なポイントを前に出す構文です。
What’s really important is how we respond. (本当に重要なのは、私たちがどう対応するかです)
話の焦点を明確にできます。
The thing is, ~
核心に入る前の強調フレーズです。
The thing is, we don’t have enough time. (問題は、時間が足りないということです)
やや口語的で、会話向きです。
This is exactly why ~
理由や結論を強調します。
This is exactly why we need to act now. (だからこそ、今行動する必要があるのです)
論理展開をはっきりさせます。
That’s the key point.
「そこが重要な点です」と明示的に強調します。
That’s the key point we shouldn’t miss. (そこが見落としてはいけない重要点です)
議論のまとめに使いやすい表現です。
4. 感情を込めて強調するフレーズ
I really mean it.
「本気で言っています」という強調です。
I really mean it. This matters a lot. (本気です。これはとても重要です)
真剣さを伝えたい場面で使われます。
I can’t stress this enough.
「これがどれだけ重要か強調してもしきれません」という意味です。
I can’t stress this enough. Please be careful. (何度強調しても足りません。注意してください)
注意喚起や重要事項に使われます。
This really matters.
「これは本当に重要です」という感情的な強調です。
This really matters to everyone involved. (これは関係者全員にとって本当に重要です)
価値や影響の大きさを伝えます。
I’m serious.
冗談ではないことを強調します。
I’m serious. This isn’t a joke. (本気です。冗談ではありません)
言い方次第で強く聞こえるため注意が必要です。
5. 注意・重要事項を強調するフレーズ
Please note that ~
「ご注意ください」というフォーマルな強調です。
Please note that the deadline is tomorrow. (締め切りは明日ですのでご注意ください)
ビジネスメールで頻出します。
It’s important to remember that ~
忘れてほしくない点を強調します。
It’s important to remember that this is confidential. (これは機密情報だという点を忘れないでください)
落ち着いた注意喚起になります。
Make sure to ~
行動を促す強調表現です。
Make sure to back up your data. (必ずデータをバックアップしてください)
指示としてはっきりした印象になります。
Don’t forget to ~
注意を促すカジュアルな表現です。
Don’t forget to lock the door. (ドアに鍵をかけるのを忘れないでください)
日常会話でよく使われます。
6. 強調表現でよくある注意点
強調フレーズを使う際は、次の点に注意しましょう。
- very / really の使いすぎ
- 強すぎる断言を多用しない
- 場面に合わない感情表現を避ける
強調は「ここぞ」という場面で使うからこそ効果があります。
7. まとめ
英語で強調するときは、副詞だけに頼らず、構文やフレーズ全体を使うのがポイントです。
ネイティブは、重要な点を自然に目立たせる言い回しを使い分けています。
まずは That’s the key point / I can’t stress this enough / What’s really important is など、
実用性の高い表現から身につけていきましょう。
強調の仕方が変わるだけで、英語はより説得力を持ちます。
伝えたいポイントを明確に意識しながら、表現を選ぶ練習をしていきましょう。