1. はじめに
英語での会話で多くの人が悩むのが「断り方」です。お願い・誘い・提案に対して断りたいとき、
No. や I can’t. だけで返すと、冷たく、場合によっては失礼に聞こえてしまいます。
ネイティブは、断る場面でも相手への配慮を重視し、理由やクッション表現を添えてやわらかく伝えます。
はっきり断りつつも、人間関係を壊さない言い方が数多く存在します。
この記事では、ネイティブが日常会話やビジネスでよく使う「断るときの英語フレーズ」を、
軽く断る/理由を添えて断る/代案を出して断る/丁寧に断る/あいまいに断る
という切り口で整理して解説します。
「断れない英語」から卒業し、自然で大人な断り方を身につけていきましょう。
2. 断るときの基本的な考え方
英語で断るときは、次の3点を意識すると角が立ちにくくなります。
- ① クッション表現を入れる
- ② 理由を簡潔に伝える
- ③ 必要に応じて代案・フォローを添える
必ずしもすべてを入れる必要はありませんが、No だけで終わらせないことが重要です。
3. 軽く・カジュアルに断るフレーズ
I can’t right now.
「今は無理です」という軽い断りです。
Sorry, I can’t right now. (ごめん、今は無理なんだ)
一時的に難しいというニュアンスがあります。
Not this time.
「今回はやめておくよ」という言い方です。
Thanks for the invite, but not this time. (誘ってくれてありがとう。でも今回はやめておくよ)
将来の可能性を残す断り方です。
I’m good.
「大丈夫です」「結構です」というカジュアル表現です。
No thanks, I’m good. (ありがとう。でも大丈夫です)
フラットな断りで、日常会話向きです。
I’ll pass.
「今回は遠慮します」という意味です。
I think I’ll pass. (今回は遠慮しておきます)
短いですが、比較的やわらかい表現です。
4. 理由を添えて断るフレーズ
I can’t because ~
理由を明確に伝える基本形です。
I can’t join because I have other plans. (他の予定があるので参加できません)
理由は詳しすぎる必要はありません。
I’m busy with ~
忙しさを理由に断る表現です。
I’m busy with work today. (今日は仕事で手が離せません)
納得感のある理由になります。
I already have plans.
予定が入っていることを理由にします。
I already have plans that day. (その日はすでに予定があります)
プライベートな詳細は言わなくてOKです。
It’s a bit difficult for me.
「少し難しいです」という婉曲表現です。
It’s a bit difficult for me to do it by tomorrow. (明日までにやるのは少し難しいです)
強い拒否を避けたいときに使えます。
5. 丁寧に断るフレーズ(ビジネス向け)
I’m afraid I can’t ~
「残念ですが〜できません」という定番の丁寧表現です。
I’m afraid I can’t attend the meeting. (残念ですが、その会議には出席できません)
フォーマル・ビジネスで非常によく使われます。
Unfortunately, ~
残念な知らせとして断る表現です。
Unfortunately, I won’t be able to help this time. (残念ながら、今回はお手伝いできません)
書き言葉・メールでも使われます。
I really appreciate it, but ~
感謝+断りのセットです。
I really appreciate the offer, but I have to decline. (お声がけはありがたいのですが、お断りします)
大人っぽい断り方になります。
Thank you for asking, however ~
丁寧さを重視した表現です。
Thank you for asking, however I won’t be able to participate. (お声がけありがとうございますが、参加できません)
フォーマル寄りの印象です。
6. 代案を出しながら断るフレーズ
I can’t, but ~
断りつつ代案を提示します。
I can’t today, but I’m free tomorrow. (今日は無理ですが、明日なら大丈夫です)
前向きな印象を残せます。
Not now, but maybe later.
時期をずらす断り方です。
Not now, but maybe later this week. (今は無理ですが、今週後半なら)
完全な拒否ではありません。
How about ~ instead?
別案を提示します。
I can’t meet today. How about tomorrow instead? (今日は会えません。代わりに明日はどうですか)
協力的な断りになります。
Maybe someone else can help.
自分以外の選択肢を示します。
I can’t help this time, but maybe someone else can. (今回は無理ですが、他の人ならできるかもしれません)
責任を放棄しすぎない言い方です。
7. あいまいに断るフレーズ
I’m not sure if I can.
即答を避ける表現です。
I’m not sure if I can make it. (行けるかどうか、まだわかりません)
様子見をしたいときに使われます。
I’ll have to think about it.
検討する姿勢を示します。
I’ll have to think about it and get back to you. (考えてから連絡します)
時間を稼ぐ断り方です。
It depends.
条件付きで断ります。
It depends on my schedule. (スケジュール次第です)
Yes / No をぼかした表現です。
We’ll see.
「様子を見ます」という意味です。
We’ll see how things go. (様子を見て決めます)
カジュアルですが曖昧です。
8. 避けたほうがよい断り方
次のような断り方は、誤解を招きやすいので注意が必要です。
- No.(理由なし)
- I don’t want to.(率直すぎる)
- I can’t.(トーン次第で冷たく聞こえる)
短く断る場合でも、クッション表現を一言添えるだけで印象は大きく変わります。
9. まとめ
英語で断ることは、失礼な行為ではありません。
ネイティブは、相手への配慮を示しながら、はっきりと断る表現を自然に使っています。
まずは I’m afraid I can’t / Not this time / I can’t, but ~ など、
使用頻度が高く使いやすい表現から身につけていきましょう。
上手な断り方ができるようになると、英語での人間関係はむしろ安定します。
無理に引き受けず、適切な言葉で自分の意思を伝える練習をしていきましょう。