英単語 concede の使い方|「認める」に潜む英語特有の思考

英語の concede は、辞書を見るとたいてい

「(不本意ながら)認める」「譲歩する」

と訳されています。

意味だけを見ると、それほど難しい単語には見えません。

しかし実際の英文で concede に出会うと、

「なぜここで admit や accept ではなく concede なのか」

と引っかかる人は少なくありません。

それは、concede が単なる「認める」ではなく、

話し手の立場・抵抗・力関係

まで含めて表現する、かなり思考寄りの動詞だからです。


結論:concede は「抵抗したうえで認める」動詞

最初に結論を示します。

concede は「本当は譲りたくないが、理屈や状況に押されて認める」ことを表す動詞

です。

ポイントは、

  • 最初から同意していない
  • 内心では抵抗がある
  • しかし否定しきれなくなった

というプロセスです。

この「気持ちの流れ」が、concede の核になります。


1. concede の語源が示すイメージ

concede は、ラテン語の

con-(完全に)+ cedere(進む・退く)

から来ています。

つまり元のイメージは、

「一歩引く」「退く」

です。

これは、

自分の立場を最後まで守り切れず、相手側に一歩譲る

という構図をそのまま表しています。


2. admit / accept / concede の決定的な違い

まず、似た動詞との違いを整理します。

動詞 中心イメージ
admit 事実として認める
accept 受け入れる・了承する
concede 抵抗した末に認める

admit は、

「それが事実だと分かった」

という認知の話です。

accept は、

「条件や提案を受け入れる」

という判断の話です。

一方、concede には、

「本当は認めたくなかった」という感情

が含まれます。


3. concede が使われる典型的な場面

concede は、次のような文脈で頻繁に使われます。

  • 議論・討論
  • 政治・外交
  • 裁判・交渉
  • 評論・エッセイ

つまり、

意見が対立している場面

です。

He conceded that the argument had some merit.
彼はその主張に一定の妥当性があることを認めざるを得なかった。

この文には、

「全面的に賛成しているわけではない」

というニュアンスがはっきり含まれています。


4. concede + that 節 の感覚

concede は、

that 節

と一緒に使われることが非常に多い動詞です。

She conceded that she was wrong.
彼女は自分が間違っていたことを認めた。

ここで重要なのは、

「すぐに認めたわけではない」

という前提です。

concede が選ばれている時点で、

そこに葛藤や抵抗があった

ことが読み取れます。


5. 部分的に認めるときの concede

concede は、

相手の主張の一部だけを認める

ときにもよく使われます。

I concede your point, but I still disagree overall.
あなたの言い分は認めるが、全体としては同意しない。

この構文は、

英語の議論で非常によく使われる型です。

concede は、

議論を前に進めるための譲歩

として機能しています。


6. concede は「負け」を表す動詞でもある

スポーツや選挙の文脈では、

concede は

敗北を認める

という意味でも使われます。

The candidate conceded the election.
候補者は選挙での敗北を認めた。

ここでも、

「最後まで戦ったが、もう否定できない」

というニュアンスが中心です。


7. なぜネイティブは concede を好むのか

ネイティブが concede を使う理由は明確です。

自分の立場を完全には崩さずに、知的に譲歩できるから

です。

admit だと、

「最初から間違っていた」

という印象が強くなります。

concede は、

「そこは認めるが、全体ではまだ考えがある」

という余地を残します。


8. 学習者が concede を使いこなせない理由

日本語の「認める」は、

感情・抵抗・立場の違いをあまり区別しません。

そのため、

admit / accept / concede の使い分けが

感覚的に掴みにくくなります。

concede を理解する鍵は、

意味ではなく「態度」

です。


9. まとめ|concede は「負けながら守る」動詞

concede は、

全面降伏

を表す動詞ではありません。

譲ることで、議論や立場を前に進めるための動詞

です。

この単語が自然に使えるようになると、

  • 英文が一気に知的になる
  • 議論文・評論文が読みやすくなる
  • 英語の「態度表現」が見えるようになる

concede は、

英語が「白黒をはっきりつけない言語」であることを

象徴する動詞のひとつです。